職人VS大量調理

        職人VS大量調理
 ある時自分は、○○の納入業者さんと現場で口論をしてしまった。

 個人の○○店を経営している店主さんが丁度配達してくれたと所だったのだが、それはある自分の一言から始まったのである。

「すみません、ちょっと相談したい事があるんですが良いですか?」

「あ、はい」

「実は、○○を固めで茹でているんですけど、どうしても伸びちゃうんですよね、茹でてから食べるまでに時間がたってしまうので、茹で時間とか、何か良い方法なんてないですか?」

「ない」

「えっ あ、でもほら出前なんかする時になんかやってる事とかあるんじゃないかと?」

「家は出前をしていませんので」

「でもほら、コンビニとかでも伸びないように研究してるでしょ、なんかヒントみたいなものでも良いんだけど….。」 このコンビニの言葉が良くなかったみたいだ。

 当たり前だとおもう。

 コンビニの系列工場では芯に伸びにくくしたもの、表面につるつるした触感を残す工夫を、機械を使って行っているのだ、個人経営のマシーンでは対応できる訳がない。

「ありません!」 (ごもっともです)


「そうですよね、変なこと聞いてすみませんでした。 違うところに聞いてみます…..」

 自分としては、何か方法がないか知りたかっただけなのだが、違うとこへ聞くって言ったのが気に入らなかったみたいで

「それは、うちの○○は要らないという事ですね?」

「いえ、ただ のびにくい方法が何かあれば、と思って聞いただけですけど」

 ここから、自慢の○○にケチをつけられたと勘違いした店主と、方法について知りたかっただけだという不毛の言い争いになってしまい、現場の皆さんにドン引きされてしまったのである。

 自分も○○は茹でたてを冷水でしめて、ずるっとすするのが一番おいしい事は知っている。

 そして専門家である人に、その美味しい時間を延ばす方法はないかなと聞いてみただけである。

 聞き方が悪かったか? 突然聞いたのが悪かったか? いや、全部か?

 結果的に○○の店主は辞退する形を崩さず、大手の製麺業者に変更する事になったのだが、問題が著しく改善される事はなかった。

 という事で、自分の配慮欠如が招いた大量調理現場での事件の一コマでしたが、一度に多くの人の食事を提供する現場には多くの難問があります。

 食中毒は絶対にあってはならない事なので確実に対応しなければいけません。

 その他に、血液や血圧の薬に対応する食材、アレルギー対応、個人の制限等、一度の食事で十数種類の主菜や副菜を調理・配膳していきます。

 だから、必ず間違いが起こります。

 医療や介護の現場では、些細な間違いや勘違いでヒューマンエラーが発生します。

 最悪な場合生命にかかわりますので、その度に対応策がマニュアルに補完されますが、リスクを減らすだけの予防策になります。

 あ~接客する仕事の場合は大変だなぁと改めて思う、おやじでしたw