初めてのクエスト? 5

「おはようございます」

「昨晩はありがとうございました。」

「あー おはよう 村の者と楽しそうにしていたので、わしも久しぶりに楽しかったよ スープが冷めないうちに早く食べなさい」

「はい それじゃ いただきます」

「いただきます」

「昨夜はよく眠れたかね?」

「はい 久々に寝たーって感じですよ」

「私も良く眠れました」

「静かが取り柄の村だからな それで今日はどうする予定だね?」

やじさんは少し考えてから返事をした。

「うーん まずは盗賊の懺悔で村の人達が許してくれるかですね、もしダメだったら違う方法を考えないと悪党のしっぽを捕まえられませんからね」

「多分、大丈夫じゃろう、 そんなにひどい目に合った訳でもないし、みんな事情を聴いたからな」

「俺もそう思いますけど、やってみないと信じられない質なんで」

「じゃあ 食事が終わったら、みなに集まるように言って回るとするか」

「すみませんが、お願いします」

「キラも頼んだぞ」

「はーい ねえ夕杏姉ちゃんも一緒にいこうよ」

「はい よろこんで」

「やったー」

 質素ではあったが、温かいスープとパンを食べ終わるとキラちゃんと夕杏、おじいさんは村のみんなへ声をかけに向かった。やじさんは物置小屋にいる元盗賊の所へ向かった。

「おはよう ジョーンさん 昨日大体の話はまとまったよ 後はケジメをちゃんと、つけて欲しい」

「ありがとう やじさん 家族を救うためにとはいえ盗賊になり下がったんだ。 心から謝罪するつもりだ」

「もうすぐ広場に村の人が集まる 今、自由にするから走り回ったりしないでくれよ」

「腹が減って そんな元気なんてないよ」
 元盗賊たちがそろって頷いた。

「あー 食事は謝罪がすんだら頼んでおくよ それまで我慢してくれ」

 しばらくして村人全員が広場へと集まったので、ジョーン達の謝罪が始まった。内容は昨日やじさんが話した通りであり、中には涙ぐむ女性もいた。

 ジョーン達は最後に、申し訳なかったと謝罪し気の済むようにしてくれと地面に座り込んだが誰一人手を出す者もおらず1分程で立ち上がるように促され、やじさんと一緒に悪いやつらを捕まえてくれと声をかけられていた。

 一件落着である。

「おーい やじさん 兵隊さんたちをこっちに 食事を用意した」
と、おじいさんから声がかかった。さすが年の功である。

「遠慮しないで食べてきなよ これから働いてもらうんだから元気になってもらわないとな」

「ありがとう やじさん  おい みんなごちそうになるぞ」

「了解 ボス」

「ジョーンさん ついでに井戸借りて小ぎれいにした方がいいよ」

「わかった ボス」

「いや 元盗賊のボスは遠慮しておく」

「いや 少なくとも、方が付くまではボスだ」

「んじゃ そういう事でいいか?」
夕杏とキラはニコニコしながらやじさんに敬礼した

「ボス おめでとうございます」

「いや 違うからね」

 1時間ほど経っただろうか、やじさん、夕杏、ジョーンとおじいさんの4人は中庭に置かれたテーブルを囲み作戦会議を開いていた。

 おじいさんは直接参加する訳ではないが、近辺の一般住民情勢に詳しいのでアドバイザー的参加である。

「作戦と言ってもそんなに複雑なもんじゃない、ジョーン達には俺と夕杏をこの村で邪魔をしに入ったので捕まえたという事にして砦の街へ一緒に入って欲しい」

「それは良いが どこへ連れて行くんだ?」

「先ずは、結託している商人の所だ。 馬車へ空の荷物でも積んで俺たちを一緒に運ぶ、そして商人の口から主犯の名前を出させて、隠した食料を売っている証拠にする」

「名前を言わせる位なら出来るかもしれないが、証拠になるのか?」

「うん これを使う」

 やじさんは倉庫から杖のようなものを取り出した。それは、約束というクエストを以前受けた時に報酬としてもらった、忘れん棒というスケジュール帳の入力アイテムである。

「これは本来、忘れちゃいけない予定を言葉と映像で記録する物なんだけど、これで商人とジョーンさん達の会話を記録する、例えれば動いて見える絵本といったところだ」

「つまり、起こった事をそのまま本に出来るのか?」

「正解、それを王様に見せて、ジョーンさん達の証言も伝える事が出来たら信じてもらえるだろう」

「そうか、俺たちの証言だけじゃ、うやむやにされる可能性が高いしな」

「うん それに解決できても罪は残るからな 実際に手伝っているところが見えたら、王様も罪を軽くしてくれると思うよ」

「なるほど そこまで考えているのか」

「で、おじいさんにも頼みがあるんだけど」

「わしに、できる事だったら何でも言ってくれ」

「街の知り合いに頼んで欲しい事がある。 俺たちが証拠を集め終わったら商人を縛り上げる。 その後、何人かで店の倉庫に鍵をかけて見張っていて欲しいんだ。多分売ろうとしている食料が保管してあると思うから」

「わかった 店のやつらも一緒に倉庫に入れて置いてくれ」

「その後、俺たちは城へ移動して王様に会う。 そして、ゴン・エーモンというイレブン砦の守備隊責任者を捕まえにここへ戻ってくる。 そうだな、5Km位だから馬を使って・・・・・ 説明を含めても3時間位で戻れると思う」

「なに 鍵を掛けたら外からこっそり見張ってるよ 心配するな」
やじさんの心配事を察したおじいさんは直ぐに応えた。

「よし それじゃ出発するか」

「それじゃあ、キラは留守番だな ごねないように夕杏さんから言ってくれないか?」

「街から何か連絡があったら村のみんなに伝える、連絡係に任命しておきます」

「うん ありがとう」

やじさんたちは陽が沈む前には終わらせようと街へ向かって馬車を走らせた。


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